女性は歳とともに、ホルモンバランスが崩れやすくなり、カラダや心には様々な不調があらわれます。
その最たるものが、40代から50代にかけて起こる更年期障害ではないでしょうか。
でも、そんな更年期症状ととても似ている症状が現れてしまう甲状腺異常はご存知ですか?
更年期の症状に似ていることから、見過ごされがちですが、もしかしたら、今悩んでいるその症状は、甲状腺異常かもしれない、、、なんて事もあるかもしれません。
更年期と甲状腺異常について
更年期は、閉経する前後の40代?50代の女性に訪れるものです。
原因として、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが減少し、それによりカラダや心に様々な不調が及んでしまいます。
そして、この更年期に入る40代?50代の女性には、もうひとつ厄介な症状があらわれてしまう事があります。
それが、甲状腺異常です。
この甲状腺異常には、甲状腺機能低下症と甲状腺機能亢進症との2つがあります。
状腺機能低下症は、甲状腺の機能が低下することで様々な不調があらわれてしまいます。
この場合は、カラダは眠った状態となり様々な働きが低下します。
甲状腺機能亢進症は、甲状腺の機能が異常に活発化してしまうことで、様々な不調があらわれてしまいます。
この場合、カラダは常に走っている様な状態となり休めることがなく、それにより、様々な不調があらわれます。
更年期と甲状腺異常の似ている症状
それぞれ原因が違うものの、症状や発症年齢がよく似ていることから本当は、甲状腺異常であるのに、更年期症状だと勘違いしてしまう事が少なくありません。
更年期も甲状腺異常も発症する年齢はほとんど同じで、更年期は42歳?56歳、甲状腺機能低下症は40歳?60歳、甲状腺機能亢進症は20歳?50歳です。
症状としては、まずは血管運動症状は、更年期では、ほてり、汗、動悸、頭痛です。
甲状腺機能低下症では、頭痛です。
甲状腺機能亢進症では、汗、動悸、熱感です。
精神神経症状は、更年期では、不安、不眠、めまい、うつ傾向です。
甲状腺機能低下症では、不安、不眠、めまい、うつ傾向、記憶力低下です。
甲状腺機能亢進症では、不安、不眠、イライラ、焦燥感です。
運動神経症状では、更年期では、肩こり、腰痛、関節痛です。
甲状腺機能低下症では、筋力低下、関節痛です。
甲状腺機能亢進症では、筋力低下です。
この他、更年期も甲状腺異常も生理不順などもあらわれ、その症状はほとんど似ています。
そのため、更年期と思っていたら、実は甲状腺異常だったなんてことが時にあります。
更年期症状の原因の多くは、エストロゲンの減少からという事は、広く知られています。
更年期に入る40代?50代の女性には、甲状腺異常もおこりやすいという事を頭の片隅に入れておくと良いですね。
甲状腺異常はなぜ起こる?
甲状腺機能低下症は、自己免疫の異常によるものと言われています。
本来、自己免疫とは体内に入った菌やウィルスなどの外敵を攻撃しカラダを守る働きがありますが、なんらかの原因で、その自己免疫が自分のカラダを攻撃し、自己抗体を作ってしまうのです。
この自己抗体が甲状腺を攻撃することで、甲状腺ホルモンが分泌されなくなり、甲状腺機能の低下が起こってしまい甲状腺異常となるのです。
代表的な病気として、橋本病があります。
一方、甲状腺機能亢進症は、何らかの要因でできた自己抗体が甲状腺を刺激することで、甲状腺ホルモンが過剰に分泌してしまい、甲状腺機能が異常に活発化してしまうのです。
代表的な病気として、バセドー氏病があります。
ただ、これらの甲状腺異常も、原因は加齢などによる急激な女性ホルモンの変化によるものと考えられています。
その他、出産などを期に免疫を抑えるホルモンを分泌する胎盤がなくなることが原因とも言われています。
更年期と甲状腺異常、それぞれの対策
様々なつらい更年期症状を抑えるためには、医療機関によるホルモン療法や漢方療法などの治療が有効です。
また、セルフケアとしては、サプリメントなどでエストロゲンと同じ働きをする成分を摂取したり、ホルモンバランスを整えるプラセンタの摂取などが有効です。
ただ、甲状腺異常は、病気と診断されても根治する治療法はいまのところなく、薬などでその症状を抑える治療が主体となります。
甲状腺機能亢進症の場合は、過剰に分泌されてしまう甲状腺ホルモンの分泌を抑えるための薬を処方されたり、甲状腺の一部を放射線で破壊したり、手術で切除したりという方法もあります。
甲状腺機能低下症の場合は、分泌されなくなってしまった甲状腺ホルモンを補うためのホルモン剤を用いる治療法があります。
また、甲状腺異常は、その症状のひとつである、記憶力の低下から物忘れなどの症状も出る事があり、認知症と間違われてしまう事もあります。
まとめ
この様に、更年期症状と甲状腺異常は症状は似ているものの、その治療法や改善方法は異なります。
また、見過ごしてしまうと悪化してしまう事もあるので、少しでもおかしいなと思った時は、医療機関で精密な検査をおこない、適切な治療を受けることが大切です。
更年期だから仕方ないとあきらめてしまわず、検査と適切な改善方法を選択して、40代でも、50代でも元気にイキイキと過ごしたいものですね!