様々な症状のバリエーションが幅広い、更年期障害。
めまい、ホットフラッシュ、頭痛などの体力面から、イライラ、不安感などの精神面まで、色々なトラブルが発生してしまうことが特徴です。
その症状の豊富さから、それらに効く薬もまた、種類がたくさんあります。
自分の悩みには、どの薬を選べばいいのか、何が合っているのかわからない事も、多々あるかと思います。
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そこで今回は代表的な症状に効く薬や、それらの選び方などを、ひとつの記事にまとめてみました。参考にしてみてください。
更年期障害とは
日本の女性の平均的な閉経を迎える年齢は50歳から51歳だそうです。
その10年前後の期間が一般的に更年期と呼ばれています。
老化による様々な身体の部分の機能衰退や、精神や環境の変化など、からだが色々な変動に慣れるまでに要する期間なのです。
更年期の間、からだや精神は様々なトラブルや不調に巻き込まれやすく、セルフケアのみならず本格的なホルモン治療が必要な場合もあります。
これから紹介していく様々な治療や薬を慎重に選ぶ為にも、ある程度更年期障害の原因などを頭にいれておく必要がありますね。
更年期障害の原因
まず、更年期障害とは、卵巣機能の低下によって女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が激減してしまうことで、引き起こされる様々な身体の不調の総称です。
ではなぜ、女性ホルモンが減少することによって、トラブルが生まれるのでしょうか。
それは、卵巣の働きが悪いのにも関わらず、脳はそれを補おうと卵胞刺激ホルモンを分泌し、卵巣からエストロゲンを分泌するよう命令を出し続けるのです。
しかし、老化により卵巣の働きは休止・停止してしまっています。
その為、必要な量に達せないエストロゲンと卵胞刺激ホルモンの増加という、体内でのホルモンバランスが崩れてしまうのです。
更年期障害の主な原因はこのホルモンバランスの乱れではありますが、加えて、様々な生活の変化と重なる事もあり、精神面のストレスも無視出来ない要素となっています。
更年期障害の症状は個人個人に大きく差があり、まったく感じていない人から、何年も悩まされている方もいます。
その為、治療法や合った薬なども人それぞれなので、慎重に選び、試す必要があります。
また、服用し続けても効果が表れない場合などもあるので、定期的な医師の診断も必要になります。
様々な薬の種類や療法
HRT(ホルモン補充療法)
HRT(ホルモン補充療法)とは、更年期障害の症状の治療のために、不足している女性ホルモン、エストロゲンを補充するという治療法です。
更年期障害の症状の根本的な原因が、卵巣機能の低下によるエストロゲンの分泌量の減少なので、この療法は根本治療とも言えます。
飲み薬や、塗り薬、張り薬など、様々な方法が展開されているのも魅力のひとつです。
このホルモン補充療法で期待できる効果は、更年期特有のホットフラッシュや、睡眠障害、また精神的な部分の憂うつ気分状態の改善があります。
ホルモン補充療法(HRT)は、個人の状態によって正しい使い方なども変わります。
それぞれの状況に合わせて投与法も変わるので、この療法を行うことが出来ない人もいます。
副作用もないとはいいきれず、使い始めの1か月から2か月では、マイナートラブルなどが発生することもあるそうです。
また、ホルモン補充療法は、更年期障害の可能性があると診断された場合のみに適用されるので、慎重に治療を行う必要があります。
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あまり症状がヒドくない場合は控えた方がいいかもしれないですね。副作用が怖い。
漢方薬
漢方薬とは、自然由来で化学物質などを含まないオーガニックな薬です。
また、様々な漢方を組合すことも可能で、それぞれの体調や体質に合わせて調合出来るのも魅力です。
一般的ないわゆる普通の薬と比べると、副作用も軽減します。
これらの理由により、漢方は今また再び脚光を浴び始めているのです。
更年期特有の疲れやすさや、めまい、頭痛などには当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が効果的だそうです。
精神的な不調などには直接的な改善は及ぼさないかもしれませんが、身体の不調が軽減することで気持ちも軽くなると思います。
加味逍遥散(かみしょうようさん)などは、疲れやすい時など、冷え性、血行不良などに効果があります。
中でも、ストレスやイライラを緩和させる働きもあり、更年期障害の症状全般に効くといわれています。
更年期特有のトラブルで肌荒れなどもが、皮膚炎などの解消にも効果的なのが桂枝茯苓丸(けいしふくりょうがん)です。
ニキビやシミなどのオーガニックなケア療法にぴったりの漢方です。
これらのほかにも漢方というのはたくさん種類がありますが、基本的に漢方薬で即効効果を得るのは諦めた方がいいでしょう。
辛抱強く、飲み続けることで、身体を芯から変えていく意識というのも大切なのです。
漢方薬はオーガニックといっても、医薬品であるので、医師からの処方をなるべく受けることをおすすめします。
たくさんの種類から自分に合ったものをドラッグストアなどで自ら選ぶのは、難しい判断になるので、まずは医師に相談したほうがいいでしょう。
漢方に関してはこちらの記事でも詳しく書いています。
⇒更年期障害に効くオススメの漢方は?知っておきたい5つの漢方薬
低用量ピル
最近は、女性ホルモンが配合されている低用量ピルを、更年期障害の症状で苦しむ人への処方されることが増えています。
ピルというと避妊薬などというイメージが定着してしまっているかもしれませんが、生理痛の軽減などにも効く薬なんです。
ピルという薬は色々と種類があるほか、薬局などで気軽に買えるものではありません。
産婦人科などで処方される為、服用するためには医師の診断が必要です。
種類も、更年期障害の症状軽減に使用するのに最適な、かつ自分に合ったものをしっかりと医師と相談し、選びましょう。
薬局で買える薬
とりあえず手軽に手に入れたいならば、薬局、ドラッグストアなどでも効果的な薬が売っています。
ホルモン補充療法などには抵抗があるなど、一般的に売っている薬に頼らねければいけないこともあるかと思うので、更年期障害の症状に効く市販薬についてまとめてみました。
市販の更年期障害治療薬は主に漢方ベースのものになっており、医療用として更年期障害の治療に長らく用いられている当帰芍薬散などや加味逍遥散などの場合は保険が適応されます。
当帰芍薬散やルビーナ
自律神経症状へ効果的なのは、当帰芍薬散やルビーナなどがおすすめです。
めまいや動悸などの症状に効果を発揮します。
加味逍遥散
精神症状が気になる方は「加味逍遥散」がおすすめです。
不眠、イライラやめまいなどに効くとされています。
今回ご紹介した薬はほんの一部ですが、これらの選択も自分自身ではなかなか判断が難しいものです。
周りへ助けを求めながら、自分の体力、体質などをきっちり見極めてから購入を考えてくださいね。
最後に
いかがでしたか。
今回は更年期障害の症状の緩和に有効な薬の選び方をご紹介しました。
「不快な症状を早く治したい!」という気持ちは健全な証拠です。
ですが、その治療法や薬などの選択は慎重に行ったほうが賢明です。
もちろん副作用も心配ですし、第一自分の身体と健康に関わることなので、出来れば医者の判断を待ちたいところですよね。
しかし、それと同時に、自らある程度知識を付けておくことも大切です。
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自分に合った対処法、対策、薬などを見つけて、上手く付き合っていきましょう。