40代になり更年期世代になってくると、脂っこいものを食べると何だか「 胃もたれ」になり、そんなに食べてはいないのに、胃のあたりに不快を感じる。
若いときは、もっとたくさん食べても、「胃もたれ」なんてしなかったのに・・自分でも気づかないうちに、食欲も少しずつ減っていき、年齢のせいだと思っている人は多いと思います。
実は、それは更年期障害による胃腸の不調のせいなのです。
ここではそんな、私たちの知らなかった更年期の「胃もたれ」の原因や自分でできる簡単なケアについてお話ししたいと思います。
普通の胃腸の不調とはちがう、更年期障害の「胃の不調」について
更年期障害とは、更年期世代に入ると、卵巣の働きが衰えてきて、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が少なくなります。
このエストロゲンは子宮や乳房だけでなく、骨や血管、脳などにも働いている為、不足すると心身のあちらこちらに不快な症状があらわれるのです。
また、この時期の女性は、家庭でも職場でもストレスを抱えることが多く、心身の不調が多いですよね。
お肌のトラブルや老化が目立ってくるのも、この時期と重なります。
普通の胃の不調は、臓器の異常によって引き起こるものですが、更年期の胃の不調は、ホルモンの減少に加え、生活のストレス、老化が絡み合っておこる複雑なものなのです。
症状は人それぞれなので、限定された特効薬はなかなか見つかりません。
そこで、自分で見つける、自分だけのケアを探していくことをおすすめします。
胃のもたれを考えた自分だけのオリジナルなケアをしていきましよう
胃にやさしい消化のよいもの食べ物を選ぶ
食欲がないからといって、何も食べないのはよくありません。
たくさん食べようと思わずに、「質の良いものをちょっと食べる」というように心掛けてくださいね。
お気に入りのプレートに少しずつのせて食べるという盛り付けかたなどを工夫すると、見た目も美しく食べる意欲をそそります。
また、ハーブやスパイス、香味野菜などもおすすめです。ハーブやスパイス、香味野菜には、体を温め、胃腸の働きを高めるものが多いです。
煮込み料理なども、具材がやわらかくなり、温かく食べられるので、消化にとても良いです。
胃にやさしい消化のよいものを選びながら、量より質で体の中に入れていきましょう。
女性ホルモンによく似た働きをする食材を取り入れる
食材には、女性ホルモンによく似た働きをするもの、植物エストロゲン(フェトエストロゲン)を多く含んでいる食材があります。
主に多く含んでいる食材は
- 大豆製品(豆腐・味噌・醤油・きなこ・納豆)
- 豆類(大豆、いんげん豆、えんどう豆など)
- ナッツ類(ピスタチオ・アーモンド・ヘーゼルナッツなど)
- 種子(亜麻仁、ごま、ケシの実、ヒマワリの種、カボチャの種)
- 穀物(米、小麦、大麦、ライ麦、カラス麦など)
- フルーツ(ざくろ・乾燥プルーン・ラズベリー・イチゴなど)
- 野菜(アルファルファ・ブロッコリー・アスパラガスなど)
- その他シナモン、セージなどのハーブやスパイス
これらの食材に多く含まれています。
これらの食材をとることで、減少しつつある女性ホルモンの補助効果になります。
ですが、注意しないといけないのは、過剰摂取をすると逆効果になる場合もあるので、ほどほどにして効果を高めていきましょう。
ティーブレイクを一日の中に取り入れる
忙しい毎日のなかで、女性がホッとできる時間をつくることが更年期の女性にはとても大事だと思います。
そこで胃腸の調子を整えてくれるおすすめのハーブティーを紹介します。
ペパーミント
ペパーミントは、胃腸の働きを促進させ、胃もたれにも良い効果があります。
カモミール
カモミールも胃腸にとてもよいハーブです。食べ過ぎ、吐き気などにも効果がありますが、ストレスや不安感、不眠にも良いと言われています。
自分の気に入ったハーブティーやお茶があったら、好きな音楽を聴いたり、好きなカップに入れたりして、是非ゆったりとした落ち着く環境の中で、ティーブレイクをしてみてくださいね。
また、カフェインやアルコール類がお好きな方は、できるだけひかえていくことがベストですが、急には無理ですよね。
少しずつ量を減らしていけるように、このティーブレイクの効果を利用していったら、いかがでしょうか?
ツボ指圧をためしてみる
私は普段ツボ指圧を実践しているのですが、体が不調なときは、有効なので是非やってみてください。
ツボは力を入れて押さずに、リラックスして気持ちがいいくらいの力加減がちょうどいいです。
中脘(ちゅうかん)
へそから指4本分上にあります。中指の腹で優しくおしてください。
このツボは、自律神経に作用して、消化吸収の力を上げるツボです。
脘(かん)とは、胃のことで、胃の不調に働きかけて、消化をスムーズにします。
足三里(あしさんり)
ひざ下。向こうずねの上にある突起した骨から外側に指2本分のところにあります。親指をたてて押します。
「足三里」は、胃腸の働きを整え、刺激すると食欲がアップします。
合谷(ごうこく)
人差し指の骨と、親指の骨が合わさっている辺りのおすとへこむところです。
反対の手の親指と人差し指でつまむように押していきます。
私がおすすめする最強の万能ツボです。体の調子が悪い時は、このツボを押すといいので、是非試してみてくださいね。
胃に作用するツボで、消化をスムーズにしていきましょう
アロマテラピー
女性に人気のアロマテラピーは、更年期障害の人にも効果的です
アロマテラピーは、西洋の漢方と呼ばれる一種の自然療法です。
植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)の香りを利用して、体の不調や精神的な疲れを癒します。
香りはたくさん種類があるので、「あっ!この香り、いいにおい!」と思った香りが今日自分に必要な香りだと思って、使ってみてください。
- 女性ホルモンの分泌を促すと言われている精油(アンジェリカ・チェストベリー・クラリセージ・ブラックホッシュ)
- 疲れているときに効果的な精油(ゼラニウム・ローズウット・ベルガモット)
- イライラに効果的な精油(ラベンダー・カモミール。マジョラム・ネロリ)
- 落ち込んでいるとき効果的な精油(ジャスミン・クラリセージ・セントジョーンズワート)
- 元気が出ないとき効果的な精油(グレープフルーツ・レモングラス・ティートゥリー・レモン)
大好きなアロマオイルをハンカチにつけて持ち歩いたり、アロマポットなどを使って楽しんでみてください。
まとめ
更年期の胃のもたれが始まっている人にとっては、「いつまで、こんな症状が続くのだろう・・・」と不安になってしまいますよね。
症状が一時的な場合は、自分で考えていくオリジナルケアがとても有効だと思います。
ただし、症状が続く場合は、胃潰瘍や胃ガン、甲状腺の病気がかくれていることがあるので、早めに医師の診察を受けるようにしてください。
そして一人きりで解決しようと思わず、周りにいる家族や相談できる友人に話をして、協力をしてもらってくださいね。
まだ更年期障害がでてきていないという人も、今更年期障害になっている人も、もう一度自分の生活をよく見直して、今からできる心と体のケアをはじめていかれてはどうでしょうか。
是非自分らしくいられるオリジナルケアを実践してみてください。