「大豆イソフラボン」という成分は、女性が摂取すると良いとよく耳にしますよね。
実際どのような成分なのでしょうか?
この記事では、大豆イソフラボンの効果、どのくらいの量を食べればいいのか、気になる大豆製品に含まれる大豆イソフラボンの量、管理栄養士がおすすめする大豆イソフラボンがたっぷり食べられる簡単レシピをご紹介します。

20分あれば作れるお手軽レシピなので、ぜひ試してみてください。
大豆イソフラボンって何?
大豆イソフラボンは、大豆の胚芽に多く含まれるフラボノイドの一種。
女性ホルモンである「エストロゲン」によく似た構造をしています。
さらに、からだのサビつきを抑える「抗酸化作用」もあることから、美容やアンチエイジング効果が期待できるとして注目を集め、女性に人気がある成分です。
大豆イソフラボンの効果とは?
更年期になると、卵巣機能の低下により、急激にエストロゲン分泌が欠乏。
エストロゲンが欠乏すると、ほてり、のぼせ、耳鳴り、不眠、憂うつなど、つらい更年期特有の症状があらわれます。
そこで、「大豆イソフラボン」の出番です!
エストロゲンに似た働きをする「大豆イソフラボン」を食べ物からしっかり摂取することで、更年期症状を緩和させる効果が期待できます。
大豆イソフラボンは、大きく分けて、アグリコン型、グリコシド型の2種類。
特に、大豆イソフラボンのアグリコン型は、分子の大きさがグリコシド型に比べ小さく、消化酵素で消化がされやすいため、カラダに吸収されやすいという特徴があります。
大豆イソフラボンはどのくらいの量を摂取する必要があるの?
では実際にどれくらい大豆イソフラボンを摂取すればいいのかというと、
一般的に大豆イソフラボンは、1日あたり50mg程度(アグリコン型)の摂取で、効果があるといわれています。
ただ、農林水産省では
大豆イソフラボンの安全な摂取目安量の上限値は、1日あたり70〜75mg(アグリコン換算値)と設定されています。
それよりも20mg程度多く摂取しても問題ないということが書いてあるので、70mgくらいは大丈夫です。
ただ、それ以上は過剰摂取になってしまうので注意するようにしてください。
(※この上限値は、あくまで毎日長期的に、大豆イソフラボンアグリコンを摂取した場合のものです。)
大豆イソフラボンの含有率が高い食材とは?
日常的によく料理に利用する、大豆製品に含まれる「大豆イソフラボンアグリコン」の量は下記の通りです。
わかりやすいように、1食あたりで食べることが多い食材の使用量で計算し、まとめてみました。
大豆製品の大豆イソフラボン含有量(アグリコンとして)
材料 | mg |
豆腐 半丁( 15og) | 約30mg |
高野豆腐 1枚 20g | 約18mg |
おから 50g | 約5mg |
油揚げ (100g) | 約39mg |
煮大豆 50g | 約36mg |
納豆 1パック(45g) | 約33mg |
豆乳 1パック(200g) | 約49mg |
きな粉 10g | 約26mg |
味噌 20g | 約10mg |
醤油 小さじ1 | 約0.05mg |
大豆製品は、昔から和食を食べる日本人には、馴染みが深い食品。
しかし、コンビニ食、ファーストフード店などの利用頻度が増え、食の欧米化が進んだ近年では、和食離れが進んでいます。
厚生労働省がおこなっている国民栄養調査による大豆製品などの食品摂取量から試算した、大豆イソフラボンアグリコンの摂取量は1日あたり16〜22mgと少なめなのが現状。

したがって、大豆イソフラボンによって、更年期症状を和らげたい方は、積極的に摂取する必要があります。
大豆イソフラボンを美味しく食べよう!管理栄養士おすすめ簡単レシピ♪
日本に昔から馴染みがある大豆製品の豆腐は、冷奴、お味噌汁など和食に偏りがちで、レシピがマンネリ化していませんか?
また納豆もカラダに良いとわかっていても、毎日食べるとなると飽きがち。
そこで、今回ご紹介するレシピは
- 豆腐と豆乳を使った洋食メニューの定番「グラタン」
- 卵と納豆があればできる簡単「オムレツ」
です。
大豆イソフラボンたっぷり♪簡単豆腐豆乳グラタン
20分あればできる、お手軽レシピ。
マカロニの代わりに豆腐を使うことで、茹でる手間が省け時間短縮。
さらに、糖質の摂取量が抑えられ、カロリーも1食あたり300kcal台!
ダイエット中でも美味しく召し上がっていただけます。
また、グラタンを食べると、カラダの中からポカポカと温まり、冷えが気になる女性にもおすすめの食べ方です。
材料 | 1人分 |
豆腐(絹ごし豆腐でも木綿豆腐でも可能) | 150g |
豆乳 | 150ml |
玉ネギ | 1/4個 |
ニンジン | 1/4本 |
ホウレンソウ | 1株 |
米粉 | 大さじ1 |
顆粒コンソメ | 小さじ1/2 |
塩 | 少々 |
粗挽きコショウ | 少々 |
オリーブオイル(サラダオイルでも可能) | 小さじ1 |
パン粉 | 適量 |
<作り方>
①玉ネギは薄くスライス、ニンジンは太めの千切り、ホウレンソウは2cm程度の食べやすい大きさにざく切りにします。
②フライパンにオリーブオイルを引いて熱し、玉ネギ、ニンジンを入れ、しんなりするまで炒めます。
③②へ米粉を振りいれ炒め、全体に馴染んだら豆乳、ホウレンソウ、顆粒コンソメ、塩、粗挽きコショウ入れ、とろみが付くまで火にかけます。
④豆腐は食べやすい大きさにスプーンで崩し、グラタン皿に盛りつけます。
⑤グラタン皿に盛り付けた豆腐の上に③をかけます。
⑥パン粉をお好みでふりかけ、トースターでこんがり焦げ目がつくまで焼いて出来上がり。

- 豆腐以外の具材は家にある野菜やきのこで応用が可能です。
- 玉ネギ、ニンジンは切った後、電子レンジで2分加熱してから炒めると、より時短に!
- パン粉をかける前にピザ用チーズや粉チーズをプラスしても美味しいですよ。
栄養価(1人分) | |
エネルギー | 312kcal |
たんぱく質 | 15.6g |
脂質 | 13.2g |
大豆イソフラボンアグリコン | 約66g |
卵と納豆があればできる!簡単納豆オムレツ
納豆は、伝統的な日本の発酵食品。
大豆イソフラボンの他に、血液中の血栓をできにくくする作用がある「ナットウキナーゼ」、エネルギー代謝をサポートする「ビタミンB2」が含まれる栄養満点な食品です。
材料 | 1人分 |
卵 | 1個 |
納豆 | 1パック |
マヨネーズ | 小さじ1 |
万能ねぎ | 1/2本 |
オリーブオイル | 少量 |
<作り方>
①ボールへ卵、マヨネーズ、小口切りにした万能ねぎをいれ、混ぜ合わせます。
②納豆は、付属のタレを加え混ぜます。
③フライパンへ、オリーブオイルを薄くひき熱し、①を流し入れます。
④卵液の周りが固まってきたら、火を止め、中央に納豆を乗せます。
ゴムベラを使い、納豆を卵で包み、形を整えて出来上がり。

ナットウキナーゼは酵素なので熱に弱いです。なので火を止めて卵液に乗せましょう。
栄養価(1人分) | |
エネルギー | 217kcal |
たんぱく質 | 15.0g |
脂質 | 14.5g |
大豆イソフラボンアグリコン | 約33g |
まとめ
大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」によく似た作用をもつため、積極的に補うことで更年期症状を和らげる効果があります。
さらに、抗酸化作用により、カラダが錆びつくことも防ぎ、美しさ、若々しさを保つサポートする、女性には嬉しい成分。
大豆イソフラボンを含む大豆製品には、不足しがちなたんぱく質やカルシウムも豊富に含まれています。

毎日大豆製品をお食事に上手に取り入れ、つらい更年期症状を乗り越えましょう!
ただし、大豆製品がカラダに良いからといって、過剰摂取にならないように注意が必要です。