更年期になると、女性はカラダや心に様々な不調を抱えてしまいます。
加齢によるエストロゲンの減少や、健康や美を保つための様々な成分の減少などで、肌にも影響が出てきてしまいます。
そのため、更年期女性は皮膚トラブルを抱える人も少なくないのです。
本来、キレイに保ちたい肌にトラブルが出てしまうなんて、なんだか悲しいですよね。
でも、歳だから仕方がないとあきらめずに、原因を知って、しっかり対策をとればいつまでも美肌を保つことができるのです。
更年期の皮膚トラブルの原因
更年期に入る40代、50代の女性は、肌の老化やトラブルが絶えません。
その1つは、美肌成分の減少による、シワやたるみ、くすみです。
肌を美しく保つ美肌成分には以下のようなものがあります。
コラーゲン:肌のハリや潤いを保つ重要なものです
エラスチン:コラーゲンの構造をしっかり保つために支えます
ヒアルロン酸:保湿に欠かせない成分です
加齢により、エストロゲンが減少することで、美肌成分を作り出す繊維芽細胞という肌細胞の働きが、低下してしまいます。
その結果、美肌成分のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の生成がスムーズにおこなわれず、これら美肌成分が減少して、シワやたるみ、くすみなどがあらわれてしまいます。
そんな肌トラブルは顔だけではなく、カラダだって同じことです。
更年期女性に多い、皮膚トラブルは脚や腕、背中などの痒みや赤みです。
これは、肌を守る働きのある角質層の異常が原因です。
角質層とは、表皮、真皮、皮下組織の3層からなる肌の一番外側にある層で、顔、カラダの皮膚どこにでも存在する大切なものです。
この角質層は、ブロック状の角質細胞と、それを繋ぎあわせる細胞間脂質とで成り立って、表皮を覆い、肌をしっかり守っています。
そんな角質は、古くなると自然と剥がれ落ち、また新しい角質が肌を守り、キメを整えます。
この繰り返しが、良く言われる肌の新陳代謝、ターンオーバーというものです。
このターンオーバーは、通常28日周期でおこなわれます。
しかし、加齢によりその周期は乱れ、ひどい人では、このターンオーバーに40日以上もかかってしまうんです。
その結果、肌はバリア機能を失い、様々な不調が起こってしまいます。
更年期皮膚トラブルの症状
バリア機能が低下してしまった肌は、紫外線や乾燥した空気などの刺激を直に受けてしまいます。
また、肌内部の水分を保つこともできなくなり、乾燥が進みます。
そのために、痒みや赤みなどの症状に悩まされてしまうのです。
特に、皮膚の薄い背中や腕は痒くなりがちです。
また、かいてしまえば、赤みや傷となり、見た目にも痛々しくなってしまいますね。
顔も、しわやたるみ、くすみだけでなく、痒みや赤みの症状が出てしまうこともあります。
また、40代、50代になって、吹き出物が増えてしまう人だっているのです。
ターンオーバーが乱れ、肌のバリア機能が低下する事で、多くのトラブルにみまわれてしまうのです。
コラーゲンやヒアルロン酸などの成分が減少してしまう事で起こる、老化肌に加えて、痒みや赤みが起きてしまうのは、とてもつらいことです。
更年期の皮膚トラブル4つの対策法
更年期の皮膚トラブルは、しっかり対策をすることで予防、改善ができます。
あきらめず、毎日コツコツと努力をする事が大切です。
更年期の皮膚トラブルを予防、改善する対策法を4つご紹介します。
バスタイムのケアと保湿がポイント
カラダや顔が痒くなってしまう大きな原因は、肌のバリア機能の低下です。
そのバリア機能を、自分で奪ってしまう行為があります。
それは洗いすぎなんです。
顔を、洗浄力の強いクレンジングなどで、擦り過ぎる。
カラダを、毎日ボディソープと洗浄専用パフなどで、しっかり洗ってしまう。
そんな事をしていませんか?
それでは、角質層は壊れ、バリア機能が低下してしまいます。
顔を洗う時は、肌に優しいクレンジングや洗顔フォームを使用し、優しく丁寧に洗いましょう。
泡洗顔の場合は、指よりも泡を動かすと良いでしょう。
カラダを洗うパフやタオルは、刺激を与えづらいものに替え、ボディソープも無添加のものなどを使用してみましょう。
また、毎日石鹸を使用せず、週に何回かは、シャワーなどで流すだけにしてあげても良いでしょう。
お風呂から上がったら、顔のスキンケアだけではなく、カラダもしっかり保湿します。
ボディークリームやジェルでのケアも良いですが、まずはカラダにも化粧水をつけて、そのあとクリームやジェルを塗りましょう。
ビタミン類を摂取
更年期は、肌の新陳代謝、ターンオーバーがうまくいかなくなってしまいます。
そのため、新陳代謝促進作用のあるビタミンCを摂ることが大切です。
また、皮膚や粘膜を健康に保ったり、肌や髪の毛にハリや艶を与える効果のある、ビオチン(ビタミン7)も良いですね。
ホルモンバランスの乱れが原因で起こる、皮脂の過剰分泌による吹き出物には、皮脂を抑えるビタミンB2も良いでしょう。
紫外線から肌を守る
紫外線は、一年中私たちに降り注ぎ、肌を攻撃します。
夏は日焼け止めクリームなどのケアに加えて、帽子や日傘が必要です。
秋冬であっても、肌が出る部分は、日焼け止めを塗りましょう。
十分な睡眠をとる
成長ホルモンは、大人になってからも分泌されます。
これは、一日の疲れたカラダや、働きの低下した肌細胞などを修復する、大切なホルモンで、別名若返りホルモンとも言われています。
この成長ホルモンは眠っている間に分泌されるものですから、睡眠不足では、十分に分泌されません。
しっかり、眠って成長ホルモンの分泌を促し、健康的な肌に整えましょう。
痒みがひどい場合は医療機関へ
痒みがひどく、赤みやブツブツなどの症状などがなかなか改善されない場合は、すみやかに皮膚科を受診しましょう。
かいてしまった傷口からの、感染症なども心配です。
また、医師に相談しながら、セルフケアの同時進行も必要です。
まとめ
痒みは、寝つきを悪くしてしまったり、夜中に目を覚ましてしまったりと、睡眠の質をも下げてしまうものです。
しっかりと対策をとって、改善して、健康的な肌を保ちたいものですね。