最近食べても食べても食欲が止まらない・・・
なんでこんなに食べてしまうんだろう、と自分自身にうんざりされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
更年期に過食に悩む方は実は多くいらっしゃいます。
なぜ更年期に食欲が止まらなくなってしまうのでしょうか。
この記事ではそんな更年期と過食について、おすすめの対策について紹介しています。
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更年期に入り少し過食気味だという方の参考になれば幸いです。
更年期に起こる過食の原因
更年期になると、今まで分泌されていた女性ホルモンが急激に減少します。
この女性ホルモンが急激に減少することによって、様々な症状が現れます。
その1つに、過食が現れることがあります。
急に食欲が止まらなくなってしまって、なぜだろうと思ってしても、実は更年期が原因だったとは気づかずに悩んでいる方も多いかもしれません。
更年期での過食は、更年期特有の女性ホルモンの量が関係していたり、その他の更年期症状がくる過食の場合もあります。
ではどのような原因があるのでしょうか。
主な原因は
- 女性ホルモンの乱れによるエストロゲンの減少
- 自律神経の乱れ
- ストレス
この3つです。
女性ホルモンの乱れによるエストロゲンの減少で過食が止まらない
例えば、更年期にさしかかる前、生理前になると食欲が増して、どうしても食べてしまうという時期を女性なら経験したことがあるのではないのでしょうか?
女性ホルモンのバランスと食欲は実は大きく関係しています。
生理前になると、黄体ホルモンという女性ホルモンが多く分泌されます。
この黄体ホルモンは妊娠に備えて栄養を一生懸命蓄えようとします。
そのため、食欲が増し、どんどん食べてしまうのです。
しかし、更年期はその女性ホルモンが減っていきます。
なので、今までの食欲の増加とは原因が少し異なるのです。
女性ホルモンは2種類あり、先ほどお話しした
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)
- 卵胞ホルモン(エストロゲン)
があります。
このエストロゲンには、
- 食欲を抑制する
- 水分代謝を促す
- 浮腫を防止する
というデトックス作用のような働きがあります。
しかし、更年期にはこのエストロゲンも減少します。
今まで食欲を抑えてくれていたエストロゲンが分泌されなくなると、ストッパーが外れてしまい、食欲が増していってしまいます。
生理周期があった時には、生理前の過食の時期を過ぎれば、エストロゲンの働きによって食欲は元に戻りました。
しかし、更年期にはエストロゲンが再び分泌されるということはありませんので、過食がとまらなくなってしまうのです。
こればかりは更年期障害の根本である女性ホルモンの低下によるものが原因ですので、うまく付き合っていくしかありません。
自律神経の乱れで食事や間食の時間も不規則になりがちになる
更年期による女性ホルモンの低下により、自律神経がバランスを崩すことも。
自律神経がバランスを崩すと様々な症状が現れますが、食べても食べても満足感がない過食傾向に陥ることがあります。
自律神経のバランスが乱れると、生活リズムも同時に乱れることも多く、
過食も重なってしまうと、食事や間食の時間も不規則になり、より健康に支障をきたしやすかったり罪悪感が増してしまうということも考えられます。
ストレスによる過食
更年期障害の症状に悩まされ、日常的に気分が優れずにストレスが溜まりやすい状況は多くあります。
このストレスによって過食が引き起こされていることも考えらるのです。
何かを食べることで無意識にストレスの発散をしていたり、ストレスから身を守る手段として、脳が食欲を増す対策をしていることもあります。
どうしても食べ過ぎてしまう過食の症状が
「罪悪感とストレスを引き起こしまた過食につながる」
という負のループに陥ってしまうのです。
このように、女性ホルモンの変化による直接的な原因もあれば、ストレスのような、間接的な原因によって引き起こされる場合があります。
いずれにしても、過食という症状には変わりはありません。
更年期の過食で気をつけなければならない3つの注意点
更年期における過食では、次のような点に注意が必要です。
体脂肪率の増加
更年期になると、女性ホルモンが著しく低下し、今まで保たれていた血中コレステロールの代謝が追いつかなくなり、その数値が上昇してしまいます。
そんな状況のでの過食となると、カロリーの高いものなどを多量に摂取してしまうことで、さらに血中の脂肪の分解が追いつかなくなってしまいます。
その代謝できなかった脂肪が体に蓄積されてしまい、体脂肪率は増加してしまうのです。
そのため、過食気味になりがちな方は同時に運動などをするのがおすすめです。
最初はラジオ体操などの簡単な運動からでも問題ありません。
栄養バランスの偏り
過食の症状はただ量を食べるというものだけではなく、脂っこいものやジャンクフードなどの高カロリーで低栄養なものが欲しくなるという場合もあります。
お米やお魚、野菜などはあまり食べたくなく、ついついお菓子などをたくさん食べてしまったりするのです。
また、女性ホルモンのバランスの変化で
- 今まで好きだったものが嫌になる
- 生臭さなどに敏感になって魚が食べれない
という嗜好が変化してきたという方もいらっしゃると思います。
その結果、栄養のバランスが崩れてしまい、脳はなかなか満腹だと感じなくなります。
たくさんの種類のバランスのとれた食事をしていると、少しの量でも満足感が得られるのですが、偏った栄養ではそれができなくなるのです。
そうすると、いくら食べても満足ができず、「また同じようなものが欲しくなって食べてしまう」というサイクルにはまってしまう可能性があるのです。
生活習慣病につながることも
体脂肪率の増加や栄養バランスの偏りは、蓄積されると生活習慣病に発展する危険性もあります。
生活習慣病は知らない間に進行し、いつの間にか気づけば薬を飲まなければならに状態になっていたり、さらには急に命を脅かす存在になり得る恐ろしいものです。
高カロリーなものを好んで食べ過ぎる生活が続くと、血管内に脂肪が蓄積され、循環器系の疾患や心臓、ときには脳の血管の疾患が起こることもあります。
脂肪の蓄積や、甘いものと食べ続けて高血糖な状態が続くと糖尿病へつながる可能性も否定できません。
このように、更年期では体の状態が変化していて、知らない間に過食による危険にさらされていることがあります。
しかし、食べずに我慢するなんて無理!
そんな時、どのような対策をとれば良いのでしょうか。
更年期で過食してしまう方へのおすすめの3つの対策
更年期でどうしても過食しがちは方の対策としては
- 食事の内容の見直し
- 食べ方の工夫
- ストレスの発散
これらがおすすめです。
食事内容の見直し
「そんなことできたらやっている」
と思った方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、とにかく食事の時だけはバランスのとれたものを食べることを意識するだけでも、栄養の偏りは改善されます。
1回の食事で全ての栄養を摂るのは難しいですが、3回で野菜や肉などのタンパク質、乳製品や味噌などの大豆製品を分けて摂ることも方法の1つです。
「お昼ご飯は簡単にカップラーメンで済ませてしまったから、夜はせめてサラダとお味噌汁は飲もう」
とかで良いと思います。
過食に悩まされている間は、間食ももちろんしたくなるでしょう。
しかし、間食と同じようなものを食事のタイミングで食べてしまうと、他の栄養素を摂ることができなくなってしまいます。
「間食は我慢できないからするけど、ご飯はできるだけバランスを考える」という意識だけでもしてみてください。
バランスが徐々に整ってくると、過食の症状も落ち着いてくることもあります。
気をつけることから、始められのも良いのではないでしょうか。
食べ方の工夫
最近よく耳にする「ベジファースト」という言葉をご存じですか?
これは食事の最初に野菜を食べることで、「血糖値の急激な上昇を抑えて太りにくい状態にする」という考え方です。
血糖値が急激に上昇すると体に大きな負担がかかり、繰り返されるうちに糖尿病に発展してしまう場合もあります。
しかし、毎回野菜を最初に食べるのもなかなか難しいこともありますし、間食などの場合はどうすればよいの?
そこで鍵となるのが、GI値というものです。
これは食べて急激に血糖値が上がる食べ物ほど数値が高く、緩やかに血糖値が上昇する食べ物は数値が低くなります。
このGI値の低い食べ物を食事や間食の最初に食べることで、急激な血糖値の上昇を防ぎ、体の負担を軽くすることができます。
では、GI値に低い食べ物とはどのようなものがあるのでしょうか。
出典:農林水産省
簡単なものだと、牛乳(乳糖)などは手軽に飲むことができますね。
朝、甘い菓子パンが食べたい時、間食にチョコレートが食べたい時、先に牛乳を飲んでお腹を落ち着かせてから食べたり、無糖のカフェオレでも良いかもしれません。
また、同じ野菜でも、にんじんやジャガイモなどのGI値が高いのに意外だと思われたのではないでしょうか。
にんじんやジャガイモには糖質が多く含まれているため、GI値が高くなってしまうのです。
葉物野菜などがベジファーストには向いているということです。
そのほかに注意しなければならないのは、豆乳などでも、糖分が入っているものは血糖値を上げてしまいますので注意が必要です。
ストレスの解消
原因のところでもお話しましたが、更年期によるストレスで自律神経がバランスを崩し、過食の原因となっていることもあります。
ついつい、食べることでストレスを発散しているような感覚になりがちですが、食べたあとは食べてしまった罪悪感がまたストレスのなっていることもあります。
なにか食べること以外でのストレスの発散方法を考えてみるのも、対策の1つです。
お友達と話しをするのも良いですし、映画をみたり、ショッピングに出かけてみたり、自分の気持ちが無理をしない程度の簡単なことを試してみてください。
他に気が向けば、案外食欲のことを忘れてしまう時間も出てくるかもしれません。
脂肪や糖の吸収を抑えることが期待される成分
さて、ここまでは食事の内容や摂り方について見てきました。
しかし、理想はあるけれどなかなか毎日そんなこと気にしていられないし、食べたいものを食べたい。
と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時に、脂肪や糖の吸収を抑えることが期待される成分を含んだ食品などを同時に摂取することで、
中性脂肪や血中コレステロール、血糖値の急激な上昇を防ぐことが可能かもしれません。
あまり体に負担のない成分で叶えば、さらに嬉しいですよね。
ここでは、多くの食品やサプリメントに主に配合されている成分についてご紹介していきたいと思います。
ポリフェノール
ポリフェノールは言わずと知れた健康に良い成分の1つ。
ポリフェノールは実は様々な物に含まれており、ワインやブドウジュースなどの赤いものはもちろん、コーヒーや緑茶などにも多く含まれています。
ポリフェノールは体内での脂肪を分解すろ酵素を活発にし、その脂肪分を吸着したまま体外に排出する働きがあるため、余分な脂肪や糖の吸収を妨げます。
このポリフェノールのダイエット効果で最近特に耳にするのが、コーヒーに含まれる、クロロゲン酸というものです。
ポリフェノールの一種なのですが、糖の吸収を穏やかにすることでのダイエット効果に期待ができる成分です。
ポリフェノール全般にも脂肪や糖の吸収を抑える効果はありますが、クロロゲン酸は特に糖に効果があると言われています。
食後にコーヒーを飲んでみたり、サプリメントで摂取してみいるのも良いかもしれません。
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ただし、ポリフェノールが良いからと言って、過度にワインを飲んだり、コーヒーばかりのんでしまうと、肝臓の負担になったり、鉄分の吸収を抑制してしまうことになることもあるので、適度な量にしましょう。
難消化性デキストリン
最近、この言葉をよく耳にするという方も多いのではないでしょうか。
多くの飲料水、お茶や水のみに留まらず、炭酸飲料などにも配合され、特定保健用食品としての認可を受けているものが様々なメーカーから発売されていますよね。
難消化性デキストリンとはデンプンの一種なのですが、脂肪や糖を吸収する際に邪魔をして消化器での吸収を妨げるという働きがあります。
食物繊維の一種なので「食物繊維を飲み物で摂れる」という感覚が正しいかと思います。
「他の栄養素もうまく吸収されないのでは?」
とお思いの方もいるかもしれませんが、ミネラルなどの他の栄養素の吸収には影響しないとされています。
この難消化性デキストリンは、特に血糖値の急激な上昇を抑える効果があるのです。
食物繊維は急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。
だから、ベジファーストという食事の摂り方が話題になりました。
なので、食事の前に少しこの難消化性デキストリンを摂取してから、食事をすることが効果的です。
もちろん、食事中の飲み物もこの成分の入ったものにするとさらに効果的です。
難消化性デキストリンは飲料水に入っているという印象が強いですが、粉末の物も様々なメーカーから発売されていて、
ご自身の好きな飲み物などに混ぜて摂取することもできますので、参考にしてみてください。
まとめ
食べないで済むなら食べずにいたいけれど、どうしても食べてしまうという、罪悪感との戦いですよね。
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今回の記事を参考にして頂いて、少し健康に配慮しながらも、ストレスを溜めない程度に過食と付き合っていける方法が見つかれば幸いです。