更年期以降の女性は、
骨がもろくなって骨折しやすくなる
骨粗しょう症の危険が高まります。
老化に伴う症状なので
男女問わず起きますが、
女性はもともと骨が細いうえ、
女性ホルモンが骨の維持と
深くかかわっているため、
女性ホルモンが急激に減少する
更年期以降に起きやすくなるのです。
更年期特有のほてりやイライラが収まり、
ほっとしていたら今度は
つまずいただけで骨折した
というのはありがちな例です。
骨粗しょう症は気付かないうちに
進行しますから、
定期的に骨量検査を受けて
チェックを欠かさないようにしましょう。
重い物を持った時や
立ち上がる時に背中や腰が痛む、
背が丸まってきた、
身長が縮んできた等は
骨粗しょう症のサインです。
食事や運動など
生活習慣に気を配れば、
骨粗しょう症の進行は抑えることができます。
女性ホルモン補充療法でも
骨量が増えたというデータがあります。
更年期から骨を考えた生活を
していくことが大切です。
カルシウムを積極的に取る
骨は水分とリン酸カルシウム、
炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、
コラーゲン繊維などから成っています。
表面が堅いので固定した組織のように
思われがちですが、
内部では常に新しい骨ができて
古い骨と入れ替わっています。
老化すると、
古い骨を壊すスピードに
新しい骨を作るスピードが
追い付かないため、
骨がもろくなっていきます。
一方、血液の中にもカルシウムが含まれ、
心臓や脳の働きに重要な役割を果たしています。
カルシウム摂取が不足すると、
血中カルシウムを確保するために
骨の中からカルシウムが出て行ってしまいます。
これも骨をもろくする要因です。
女性ホルモンは骨からカルシウムが
流出するのを防いでくれますが、
極端なダイエットをすると
若い女性でも骨粗しょう症に
なるので注意が必要です。
カルシウムが多く含まれる食べ物には
次のようなものがあります。
- 魚介類:ワカサギ、イワシ丸干し、干しエビ、シジミなど
- 大豆製品:生揚げ、木綿豆腐、高野豆腐、納豆など
- 野菜類:小松菜、チンゲン菜、切干大根、乾燥ヒジキ、ゴマなど
- 乳製品:牛乳、スキムミルク、プロセスチーズ、ヨーグルトなど
和食の素材が骨にもいいことが分かります。
乳製品が苦手という人は無理をせず、魚介、
大豆、野菜、海藻を積極的に取りましょう。
切干大根はカルシウムの吸収を
助けるビタミンDも多く含みます。
カルシウムを奪うものを遠ざける
せっかくカルシウムを
増やした食事をしたとしても、
塩分やし好品などによって
カルシウムが奪われてしまうことがあるので、
注意が必要です。
- 塩(塩化ナトリウム):ナトリウムが過剰になると、余分なナトリウムを排出するためにカルシウムが使われます
- 砂糖:食べ過ぎるとカルシウムを尿中に排出します
- スナック菓子:多量のリンが含まれ、リンが多すぎるとカルシウムを便に出します
- タバコ:胃腸の働きを抑え、カルシウムの吸収を妨げます
加工食品には塩分、糖分、リン酸を
多く含むものがあるので気を付けましょう。
体を動かし、日に当たることも大切
運動はカルシウム摂取と同じくらい重要です。
運動して骨に力がかかると、
骨に微弱な電気が発生して
カルシウムを引き付けるからです。
また運動すると血行が盛んになるため、
骨の中の血液の流れも良くなり、
骨を作る細胞の働きを活発にします。
運動によって筋肉が鍛えられ、
動きが安定していくと、
転びにくくなって骨折防止にもなります。
運動は激しいものを行う必要はなく、
散歩など軽いもので十分です。
家事でこまめに体を動かすのも良いでしょう。
重要なのはなるべく毎日行うことです。
また日光に当たると皮膚で
ビタミンDが形成され、
腸からカルシウムを吸収するのを
助けてくれます。
目安は1日1時間程度、
夏場なら木陰で約30分で十分です。