歳を重ねると、誰もが、「ほら、あれに出てるあの人よ」、「それって、ほらあれでしょ?」なんて、「あれ、それ」が増えて、肝心の名前などが、出てこないって事多くなりますよね。

こんな物忘れが続くと、年齢的にも認知症の前触れかしら? なんて思ってしまったりもしますよね。

ポイント

でも、更年期の物忘れと認知症は、似ているようで、原因も症状も全く違いますので、正しい知識を得て、しっかり対策をとっていきましょう。

認知症とは?

認知症と聞くと、やはり物忘れの症状が、一番に思いつきますよね。

認知症の場合、加齢や病気など、何らかの原因で脳の細胞の働きが低下したり、細胞自体が死んでしまう事で、物忘れを始めとする様々な症状が起こります。

また、物忘れも、人の名前を忘れるだけではなく、その存在からして忘れてしまったり、買い物に行っても、行ったことから忘れてしまう、というような症状が目立ってきます。

記憶力だけにとどまらず、判断力や理解力の低下も起こってきますので、日常生活を普通に送ることが困難になっていきます。

そのため、うつ傾向になったり、精神が不安定になったりして、少々の問題にもパニックを起こしてしまい、感情も抑えられずに、周囲を混乱させてしまう事もあります。

認知症は悪化すると、これまで普通にできていたことも、できなくなってしまいます。

例えば、ブラウスの着方がわからなくなりボタンがちぐはぐになってしまったり、歯の磨き方を忘れてしまう、などして、大人としての行動をとることも、困難となってしまい、介護や周囲の手厚いサポートが、必要となってくるものです。

認知症は、一度診断されると、進行スピードに個人差はあるものの、なかなか改善することが難しく、症状の悪化を遅らせるようなケアをするしかありません。

更年期の物忘れと認知症の違い

更年期の物忘れは、誰にでも起こる自然なことですので、心配したり認知症では?と疑う必要もありません。

この年代の物忘れは、つい先日会った人の名前を忘れたり、鍵やお財布をうっかりどこに置いたか忘れてしまう程度です。

また、ちょっと落ち着いて考えれば、すぐに思い出したりとできるので、早い段階から予防したり改善ケアをすれば、脳の機能低下を遅らせることができ、物忘れが認知症につながるということはありません。 

 それに比べて、認知症の物忘れとは、記憶を保管する海馬自体に異常があらわれてしまうので、新しく記憶することができなかったり、物事を順序立てて考えることができなかったりします。

また、時間や季節などの認識能力も低下したり、これまで普通にできていた、家事や趣味、仕事などが、うまくできなくなってしまったりします。

なぜ更年期に物忘れが多くなるのか

認知症ほどの症状はないのに、更年期に入ったら物忘れがひどくなった気がすると、不安になる方は少なくありません。

いくら少しの物忘れでも周りから「最近物忘れ多くなったんじゃない?」なんて言われたらやはり心配になりますよね。

そもそもどうして更年期になると物忘れがひどくなるのか不思議ですよね。

更年期の女性が物忘れをするのにはきちんとした理由があります。

脳とエストロゲンの関係

女性ホルモンであるエストロゲンは、女性の美や健康を保つための、様々な働きをサポートしていますが、このホルモンが減少してしまう、更年期のカラダや心には、多くの不調があらわれます。

代表的な更年期症状である、ホットフラッシュやめまい、倦怠感、老化肌に加え、記憶の低下も始まります。

物事を記憶する際に大切な海馬は、記憶を保管し、思い出すという作業をする時に、そこから記憶や思い出を引き出すことができるわけですね。

その海馬へと記憶を運ぶ神経伝達物質が、しっかり働くことで、記憶がなされます。

この神経伝達物質を刺激し、働きを活発化させるのが、エストロゲンです。

自律神経と深く関わる2つの女性ホルモン、プロゲステロンとエストロゲン

そのため、エストロゲンが減少してしまう更年期は、神経伝達物質の働きが低下し、物忘れが多くなってしまう、と言われています。

人の名前がすぐに出てこなかったり、朝何を食べたかすぐに思い出せない時などに、「もう、歳かな」なんて言うのは、こういったことが原因なのですね。

特に閉経後の女性の95%は、物忘れが激しくなる、という内容の論文も発表されているくらいですから、「あれ、それ」を多発する女性が増えるわけです。

私自身、「炊飯器」という言葉が出てこなかった時には、自分が少々心配になりました。

女性のカラダや精神の健康を保つエストロゲンは、たくさんの細胞や神経、臓器などの正常な働きをサポートしています。

また、脳の健康にも一役買っており、記憶作業に重要な神経伝達物質の働きを、活発にさせる作用まであります。

そんなエストロゲンが減ってしまう更年期は、この神経伝達物質を程良く刺激することができなくなり、物忘れが激しくなってしまいます。

また、血行不良が起こりやすかったり、不眠症などにも悩まされがちな年代となりますので、脳の働きがどうしても低下してしまうのが、更年期です。

特に、閉経を迎えた女性の多くは、物忘れをする頻度も増えてしまいます。

血行不良による物忘れ

更年期の女性は、筋力や代謝の低下もすすみ、冷えや血行不良をおこしやすくなります。

そこへ加えての、不眠や肩こり腰痛などで、増々血流は滞ってしまいます。

こんな血行不良が、記憶と関係しているようには思えないかもしれませんが、血行不良は、脳の働きも低下させてしまうことになります。

脳は、人が持つ酸素の15〜20%を消耗しながら、それぞれ正常な働きが、可能になります。

酸素を全身にめぐらせる血流が滞ってしまうことで、脳は酸素不足となり、その働きは鈍くなり物忘れへとつながります。

そういえば、私の知人には、三点倒立をすると頭が冴える、なんて言う人がいますが、あながち嘘でもないのかもしれませんね。

脳の低下を防ぐには

更年期に起こる物忘れは、脳機能を低下させないような生活を送ることが重要になります。

血行不良を改善するために、軽い運動をするのも良いですが、簡単にできる対策方法をご紹介します。

  • 脳を活性化させるトレーニングを行う
  • 食事と睡眠で脳機能低下予防

この2つを実践するだけでも脳にとっては良い刺激になるのでぜひ試してみてください。

脳を活性化させるトレーニングを行う

脳機能の低下を防ぐためには、脳を程良く刺激して、その働きを活性化させるトレーニングをしておく必要があります。

毎日継続的におこなうためにも、道具を使ったりせず、難しくもない方法が良いですね。

オススメとしては、就寝前に、今日一日の出来事を自分なりに振り返って、どんな出来事があったか、誰と会ってどんな話をしたかなど、なるべく細かく思い出してみることです。

好きな映画を見たり、お気に入りの音楽を聴いたり、本や雑誌を読んだりと、ストレスにならないような自分の好きなことをしてみるのが良いでしょう。 

クイズ番組を見ながら自分も真剣に答えてみる、なんていうのも脳を活性化させます。

また、ベッドに入ってから眠れない、なんて時は、楽しいことを妄想してみたり、次の楽しいスケジュールの組み立てなどをしてみるだけでも、脳はしっかり刺激されますよ。

脳は、使わないと衰える一方なので、こまめにトレーニングできると、脳機能の低下を防ぐことができます。

食事と睡眠で脳機能低下予防

食事は、バランス良く栄養を摂ることが1番ですが、その中でも青魚が脳にいいとされています。

青魚に多くふくまれるDHAは、高齢者の脳には少なく、若い世代の脳には多く存在するということが、わかっています。

そのため、この栄養素をしっかり摂取することで、脳の老化が防げるのでは、という考えがあります。

DHAは、生活習慣病予防にもとても良い栄養素ですので、そろそろ色々な数値が気になる更年期には、しっかり摂っておきたいものです。

さらに、脳はたくさん働くとブドウ糖を多く消耗して、不足すると、働きが低下してしまいます。

そのため、適度に糖分を摂るのも、脳のためには良いことです。 

ただ、甘いものの食べ過ぎは良くありませんので、お米やイモ類などで、適度に摂ると良いでしょう。

また、睡眠不足も、脳機能の低下につながります。

細胞や神経、脳をしっかり休ませ、疲れを回復させてくれる成長ホルモンを分泌させて、脳の働きを取り戻すために、しっかり睡眠をとりましょう。

就寝前にストレッチをしたり、温かいココアやホットミルクを飲めば、眠りやすくなりますので、試してみてはいかがでしょうか?

まとめ

更年期の物忘れは、認知症の前触れ、というわけではありません。

最近物忘れをよくするな、なんて思い始めたら、血行不良を防いで、脳が必要とする酸素もしっかり供給しつつ、毎日の脳トレをして脳機能の低下を予防しましょう。