女性は40代から「高血圧」になる方が、急激に増加します。

高血圧などの「生活習慣病」は男性に多いイメージですが、女性ホルモンである「エストロゲン」が減少する更年期以降の女性は、生活習慣病になるリスクが高まります。

 高血圧は自覚症状がなく、気づかないうちに進行し、「脳卒中」「心筋梗塞」など命に関わる病気を引き起こす可能性があり、日頃から注意が必要。

「外食や加工食品を食べる頻度の増加」「濃い味付けを好む」「お酒とともに塩分の多いおつまみを食べる」など塩分をとり過ぎてしまうことが「高血圧」になる原因の一つです。

栄養士(ポイント)

そこで今回は、高血圧を予防・改善する食事のポイントについてご紹介します。

管理栄養士考案!簡単で美味しい「減塩レシピ」も参考にしてください。

高血圧とは

血圧とは、心臓が送り出す血液が、血管壁を押す圧力のことです。

血圧の測定では、最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)を測定します。

  • 最高血圧

心臓が収縮して血液を送り出す時の血圧。

大量に血管内に血液が流れるため、最も血圧が高くなります。

  • 最低血圧

心臓が拡張し、血液が心臓に戻って来た時の血圧。

血管内の血液が少なくなり、血圧が最も下がります。

高血圧とは、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg 以上の状態のこと。

栄養士(NO)

そのままにしておくと、動脈硬化、脳卒中、心臓病、腎臓病など命に関わる病気になることがあります。

血圧が高くなる原因

血圧が高くなる原因は、いくつかあります。

加齢

血管壁は加齢とともに弾力を失い、硬くなります。

その結果、血液の流れが悪くなり、血圧が高くなります。

肥満

肥満と高血圧には、深い関係があります。

過食により、インスリンが過剰に分泌されると、副腎髄質からカテコールアミンを放出。

カテコールアミンには、血圧を上昇させる働きがあります。

肥満の方は、高血圧のリスクが約2〜3倍になるといわれています。

更年期の女性は女性ホルモンの分泌低下や筋肉量の減少により、とても太りやすい傾向にあり、血圧も高くなりがちです。

塩分のとり過ぎ

食事から塩分を摂りすぎると、血管内の水分が増加し、血圧を上昇させる原因につながります。

食事摂取基準では、塩分の目標量は1日あたり男性で8.0g未満、女性で7.0g未満と定められています。

高血圧予防には、食事摂取基準よりも低い6g未満が理想とされています。

現状では、日本人の塩分の摂取量は男女平均で10g。(平成27年国民健康栄養調査)

日本人は、塩分が多い調味料を使用する頻度が高いため、意識して塩分のとり過ぎに注意する必要があります。

栄養士(ポイント)

上記以外にも、「たばこ」「運動不足」「ストレス」などは血圧が高くなる原因とされています。

更年期に増加する「高血圧」を予防・改善!塩分を控える食事のポイント

高血圧対策には、塩分を控えないといけないことはわかっていても、「どのようにしたら良いのかわからない」「薄味のまずい料理は食べたくない」という人が多いと思います。

そこで、美味しく、継続しやすい減塩方法をまとめました。

調理のポイント

調味料の使い方

調味料は風味があるものを使用すると、味が薄くてもおいしい料理が作れます。

例えば、醤油は薄口醤油ではなく、濃口醤油を使いましょう。

濃口醤油の方が、醤油内の塩分量が少ないです。

それだけではなく、濃口醤油は旨味や風味が良く、色も濃いため使用量を減らすことができます。

味噌も白味噌の方が風味がよく、塩分が少なくても美味しく感じることができます。

また、塩味は舌に触れる時に感じます。

したがって、食材の中まで調味料の味を染み込ませるのではなく、食材の表面につけることがポイント。

煮物や醤油や味噌などで下味をつけた料理は、食材に塩分が染み込み、塩分のとりすぎにつながります。

例えば、煮物より表面だけにタレをつけたて焼いた照り焼きの方が、少ない醤油の使用量でも塩分を感じやすくなります。

酸味を利用する

お酢やレモン、すだち、柚子などの柑橘系の絞り汁を加えることで、味のアクセントになります。

その結果、塩分が少なくても物足りなさを感じさせません。

旨味が強い食材を利用する

かつお節、煮干し、昆布、干しシイタケ、干し貝柱などのダシの旨味により、減塩でも美味しく召し上がっていただけます。

焼くことで香ばしさを加える

焼き色や適度な焦げ目をつけることで、香ばしさが加わります。

香辛料を利用する

唐辛子、コショウ、カレー粉、わさび、からしなどの香辛料は、舌に刺激を与えたり、食欲をそそる香りによって減塩でも満足感を与えてくれます

香味野菜を利用する

ニンニク、ショウガ、ネギ、大葉、みょうが、セロリ、バジル、パセリなどのハーブを使用すると、味にインパクトを与えてくれます。

種実類を利用する

ゴマ、アーモンド、クルミ、ピーナッツは、風味や香ばしさをアップさせてくれます。

食べ方のポイント

麺類の汁は残す

ラーメン、うどん、そばなどの麺類の汁には塩分がとても多く含まれています。

味の濃い麺類では、塩分が3〜5gも汁に含まれていることも。

栄養士(NO)

塩分の多い麺類の汁は、必ず残す習慣をつけましょう。

塩分が高い食材を避ける

漬物、かまぼこ、ちくわなどの練り物、加工食品には塩分が多く含まれています。

成分表示で塩分量を確認する習慣をつけましょう。

栄養士(ポイント)

塩分量が記載されていない時は、ナトリウム量から計算が可能です。

塩分量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000

調味料はかけるのではなく「つける」

ソースや醤油は「かける」のではなく、小皿に入れ食材を「つける」方が、調味料の使用量を減らすことができます。

汁物は具だくさんにする

味噌汁などの汁物は、具だくさんにして汁の量を少なくし、塩分摂取量を減少させましょう。

食べすぎない

いくら減塩された食事でも、食べ過ぎると塩分の摂取量が増えてしまいます。

また食べ過ぎは、高血圧の危険因子である「肥満」にもつながります。

食事で高血圧を改善・予防しよう♪簡単美味しい減塩レシピをご紹介

減塩と聞くと、味気がなく美味しくないというイメージがありませんか?

そこで今回は、無理なく美味しく召し上がることができる「減塩レシピ」をご紹介します。

ニラのソースが美味♪チキンソテー

ゴマ油が薫るニラのソースが食欲をそそります。

鶏肉には下味をつけず、焼き色がつくまでしっかり焼き、香ばしさをプラスしましょう。

風味豊かな濃口醤油、ゴマ油、酸味のある酢を加えることで、減塩でも薄味に感じません。

ニラのソースが美味♪チキンソテーの作り方

材料 2人前
鶏もも肉 1枚
ニラ 1/2束
濃口醤油 小さじ2
砂糖 小さじ1
小さじ2
ゴマ油 小さじ1

①ニラは1センチ幅に切ります。

鶏肉の皮には縮まないように、フォークで穴を開けます。

②フライパンへ皮を下にして鶏肉を入れ、皮に焼き色がつくまで焼きます。

皮が焼けたら、裏返しフタをして鶏肉の中まで火が入るまで焼きます。

鶏肉は食べやすい大きさに切り、お皿に盛り付けます。

③鶏肉を焼いたフライパンの余分な油はペーパータオルで拭き取り、そこへニラ、醤油、砂糖、酢、ゴマ油を加え、ひと煮立ちさせます。

④鶏肉に③のソースをかけて出来上がり。

栄養価 1人分
エネルギー  240kcal
タンパク質 17.5 g
脂質  16.3g
塩分  1.1g
栄養士(ポイント)

ニラにはビタミンC、カルシウム、カリウムなどが豊富に含まれ、栄養価が高いお野菜です。

「カリウム」には過剰なナトリウムを排泄する作用があり、血圧の上昇を抑制します。

ぶりのカレー風味ケチャップ炒め

塩分を控えめでも、カレー粉のスパイス効果で美味しく召し上がることができます。

ぶりのカレー風味ケチャップ炒めの作り方

材料 2人分
ぶり 2切れ
玉ネギ 1/2玉
片栗粉 大さじ2
ケチャップ 大さじ1と1/2
カレー粉 小さじ2/3
大さじ2
オリーブオイル 小さじ1

①ぶりは一口大の大きさに切ります。

玉ネギは1cmのくし切りにし、耐熱容器に入れラップをかけ、電子レンジで約2分加熱します。

②ぶりに片栗粉をまぶし、オリーブオイルを熱したフライパンで焼きます。

③②へ玉ネギを入れ炒め、そこへケチャップ、カレー粉、酒を混ぜ合わせたものを加え調味します。

④皿にお好みの野菜と③を盛り付け出来上がり。

栄養価 1人分
エネルギー  305kcal
タンパク質  18.0g
脂質  16.3g
塩分  0.5g
栄養士(ポイント)

ケチャップは、醤油や味噌と比較すると塩分が低い調味料です。

さらにケチャップは酸味や旨味が強いので、減塩でも美味しくいただくことができます。

きのこたっぷり♪青のり入り卵焼き

きのことかつお節の旨味、青のりの風味で減塩でも美味しい卵焼きです。

きのこたっぷり卵焼きは、お弁当のおかずにもぴったり♪

きのこたっぷり♪青のり入り卵焼きの作り方

材料 3人分
3個
しいたけ 2個
えのき茸 1/4袋
青のり 小さじ1
かつお節 1パック
濃口醤油 小さじ1
みりん 小さじ1
大さじ3
適量

①しいたけとえのき茸は細かく刻みます。

②ボールへ卵を割り入れ、細かく切ったしいたけとえのき茸、濃口醤油、みりん、水、かつお節、青のりを加え、よく混ぜ合わせます。

③卵焼き器に、薄く油を引き、卵液1/3量を入れスクランブルエッグを作り、卵焼き器の上部にまとめます。

④卵液をさらに1/3量流し、巻きながら焼きます。

これをもう一度繰り返し、形を整え、食べやすい大きさに切り出来上がり。

栄養価 1人分
エネルギー  103kcal
タンパク質  8.4g
脂質  6.3g
塩分  0.6g
栄養士(ポイント)

きのこには、旨味成分であるグアニル酸が含まれています。

また、きのこは食物繊維が豊富で低カロリーなので、肥満予防にも最適な食材です。

まとめ

血圧が気になる方は、塩分が多い調味料をなるべく控え、旨味、香辛料などを利用し、薄い味になれるようにしましょう。

食事の塩分を控えること以外にも、高血圧予防には適正体重を維持することが大切です。

塩分だけでなく食事全体を見直し、栄養バランスがとれたお食事を心がけましょう。