更年期と言われる45歳~55歳の年代の女性は、ホルモンバランスの乱れによって心身にさまざまな症状をもたらします。
じつは、その更年期を境にリスクの高まる病気もいくつか存在するのです。
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ここでは、更年期以降にかかりやすい病気や予防法について詳しく紹介していきます。
更年期以降にかかりやすい病気
更年期を迎えると、精神面や体調面など、あらゆるところに支障がでますよね。
その中でも、今まで気にならなかった体の不調がでるとやはり心配になってしまい、悩んでストレスを溜めてしまうということもあります。
もちろん更年期でなくとも病気というのは誰しもが不安になるものです。
そこで、更年期以降にかかりやすいとされる病気を紹介しますので、もし現在症状が出ているかもしれないと思った方は参考にしてみてください。
更年期にかかる病気は以下のようなものが挙げられます。
- 骨粗しょう症
- 動脈硬化
- 生活習慣病
- 女性特有の病気全般
- 歯周病
- 尿漏れ・頻尿
- 認知症
- うつ病・認知症
など、ごく1部ですが、このような病気にかかりやすくなってしまうのです。
骨粗しょう症
骨粗しょう症は老化に伴い、骨密度が低下する病気です。
女性ホルモンであるエストロゲンは骨密度を保つ働きがあるのですが、更年期を迎えるとこのエストロゲンが減少し、その影響で骨粗しょう症が発症してしまう可能性があります。
骨密度が低下すると、骨の中がスカスカした状態になり、腰や背中などの痛みを伴います。
悪化すると、ちょっとした動きで骨折をしてしまうこともあり、さらにひどいと歩くことさえ困難になり、寝たきりの状態になってしまう場合もある病気です。
初期には自覚症状がないため、注意が必要です。
動脈硬化
心臓から全身に血液を送り込む働きをする動脈ですが、更年期にはコレステロールを調整して内臓脂肪を減らすエストロゲンが減少するため、血管が老化し、動脈が硬くなってしまうことで動脈硬化が起こりやすい状態になってしまいます。
動脈が硬くなってしまうと血液がうまく流れず、心臓に負担がかかってしまうため、血管が詰まると狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血といったかなり重大な病気を引き起こす原因となります。
動脈硬化は自覚症状がなく、気づかずに進行してしまうこともあるため危険な病気です。
生活習慣病
生活習慣病とは、食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が関わる疾患で、その中でも更年期の女性に起こりやすいのが糖尿病や脂質異常症、高血圧、脳卒中、心臓病などといったものになります。
更年期でホルモンのバランスが崩れ、やる気をなくしたり動けなくなったりすることで筋肉量・基礎代謝が低下し、肥満になりやすくなってしまうことが原因と考えられます。
加齢とともに生活習慣病が増える男性に対し、女性は閉経を境に生活習慣病が増える傾向にあるようです。
女性特有の病気
女性特有の病気というのは、誰でも聞いたことのある子宮体がんや卵巣がん、卵巣膿腫、子宮下垂、子宮筋腫、子宮脱、乳がんなど多くの病気があります。
これらも多くは女性ホルモンの乱れが1番の原因と考えられていて、下腹部に痛みがあったり不正出血が続いている場合には注意が必要です。
一時的なストレスなどのホルモンの乱れなどから症状が現れる場合もあるので、症状があるからといってすぐ病気だと思わずに、まずは産婦人科へ受診して詳しく診てもらってください。
歯周病
女性のホルモンは歯周病と大きく関わっていて、妊娠・出産時にも歯周病に気を付けるようにと医師から指示があります。
この歯周病は更年期の乱れたホルモンにも関係していて、エストロゲンが減少することで細菌感染がおこりやすくなり、歯や歯肉に炎症を起こしてしまう可能性があります。
放っておくと進行して歯が抜けてしまうこともある口内の病気です。
さらに、加齢による唾液の減少でドライマウスなどの症状も起こることがあります。
尿漏れ・頻尿
更年期には骨盤底筋のゆるみや自律神経バランスの乱れにより、尿漏れの症状で悩む女性も少なくありません。
くしゃみをした瞬間に尿が漏れてしまう「腹圧性尿失禁」、突然の尿意に我慢できず漏らしてしまう「切迫性尿失禁」があります。
また、トイレに行くのを我慢して膀胱炎にかかってしまう方もいます。
うつ病・認知症
エストロゲンには脳の働きを保護する作用があり、更年期にこのエストロゲンが減少すると不安感やうつの状態になりやすくなる傾向があります。
更年期にうまく体が動かせなくなったという、環境の変化やストレスなどが原因でも、うつ病を発症してしまうこともあります。
さらに、最近物忘れが増えたような気がする人も更年期によるホルモンのバランスの乱れによるものと思われます。
認知症になったのではないかと不安に思う人もいますが、生活に支障のないような症状であれば、自律神経を整えたりすれば認知症へ繋がることはありません。
ホルモンのバランスの乱れの他にも、何らかの影響で脳の働きが低下すると短期間の記憶を失ってしまい、今までできなかったことができなくなるといった認知症を発症してしまうのです。
更年期以降にかかりやすい病気の予防対策方法
上記で更年期にかかりやすい病気について紹介してきましたが、症状によってもちろん対策方法は変わってきます。
ここでは、主に生活の上でどの症状にも当てはまる基本的な自宅でできる対策方法をご紹介していきたいと思います。
この対策で確実にその病気を発症しないというわけではありませんが、症状が軽くなったりするなど何もしないよりは変わってくるので参考にしてみてください。
- 食生活の改善
- 適度な運動
- ストレスを溜めない
- タバコやお酒を控える
食生活の改善
生きているうえで1番欠かせないのが食です。
毎日の食事は体のエネルギーをつくるため、1日元気に過ごすことができ、免疫も高めてくれるために風邪や病気を予防してくれる力があります。
しかし、バランスの偏った食事ばかりしていると脳の働きも鈍くなり、病気にもかかりやすくなってしまうのです。
言葉ではバランス良くというのは簡単で、実際に実践してみるとバランスよくというのはなかなか難しいのですが、肥満傾向のある人は脂質や糖質を控えて魚や野菜、海藻類を中心に摂ってみたり、普段外食や買ったものが多いという人は、好きなものだけでなくたまに和食や野菜類をプラスしてみるなど、できることから食事を変えてみてください。
更年期に不足しがちなビタミンやミネラルを含む食材を摂ることもおすすめします。
さらに、更年期に減少してしまうエストロゲンを増やすために、大豆イソフラボンの含まれる納豆や豆腐などの大豆製品も食事に取り入れてみてください。
適度な運動
適度な運動は、肥満を防いだり、筋力を鍛えるだけでなく、自律神経のバランスを整えてくれる効果もあります。
更年期のイライラや、骨粗しょう症を防ぐためにも、無理のない程度に体を動かすことで気分が明るくなります。
毎日簡単に続けられるものとしては、ウォーキングをおすすめします。
ただダラーっと歩くのではなく、姿勢や歩き方を考えながら歩くと脳の活性化にもつながります。
初めは慣らし程度に少しずつ、慣れてきたら長い距離を長い時間かけて歩くというようにしてみてください。
他にも、足腰に負担をかけない水泳や、自宅でもできる軽いストレッチなど、自分が続けられそうなものを取り入れてみてください。
ストレスを溜めない
更年期症状が現れると、ホルモンの変化で何もなくても憂鬱な気分になったり、体がだるくなったり、今までと違う体調の変化に気持ちがついていかずイライラしてしまうことが多くなります。
そのイライラが溜まるとストレスとなり、さらに身体の不調を悪化させてしまうことがあります。
そうなると更年期にかかりやすい病気になってしまうこともあるかもしれません。
それを防ぐために、イライラしたときはとりあえず気持ちが落ち着くまで休んだり、家族に状況を話すなどして分かってもらうことが1番です。
溜めこむことが1番良くないので、ストレス発散できるような自分なりのリフレッシュ方法を見つけてみましょう。
タバコやお酒を控える
タバコやお酒が体に悪いと分かっていてもなかなかやめられないのが現実ですよね。
むしろタバコやお酒がストレス発散方法だという人も多いと思います。
しかし、実際に今向き合うべきことが何なのか考えてみましょう。
更年期の症状が現れ、場合によってはひどい病気にまでなってしまうかもしれないということを考えてみてください。
タバコは、がんはもちろん、動脈硬化のリスクも高めます。
タバコでも更年期でもリスクが高まるということはとても危険だと思いませんか?
また、エストロゲンの低下により女性らしさも減ってしまう中で、タバコを吸っていると美容面でも悪影響を与えてしまうのです。
お酒も、女性の場合は乳がんになりやすいとされていて、睡眠障害にも関わってくるので注意が必要です。
すぐに改善ができなくても、少しずつ減らしていく努力をしてみてください。
自分だけではどうにもできないときは、病院で相談してみることも1つです。
まとめ
更年期以降は様々な病気にかかりやすいため、早い段階からの対策が大切となります。
そのため更年期を迎える前から心や体のバランスを整え、健康を保てるように心がけていけると良いといえます。
更年期や女性の体の仕組みについて正しい知識を身につけ、上手に乗り越えていきましょう!