更年期対策に必要な栄養素として、よく耳にするのがカルシウムです。
カルシウムを摂取することで、更年期の症状に、どのような効果をもたらすのでしょうか。
また、カルシウムを効果的に摂取するには、どうしたら良いのでしょうか。
更年期の症状を緩和したい方、毎日を健やかに過ごしたい方は、ぜひ参考にして、カルシウムの摂取に役立ててください。
カルシウムの3つの重要性
ホルモンバランスを整える
カルシウムの99%は、骨や歯を形成する働きをもちますが、残りの1%は、「機能カルシウム」と呼ばれ、体の様々な生理機能を、サポートしています。
ホルモン分泌についても、大きく関わりがあり、カルシウムが不足すると、ホルモンバランスが乱れやすくなってしまいます。
特に、更年期はホルモンバランスの乱れから、様々な身体的、精神的な不調が起こりやすいので、カルシウムを摂取することで、それらの症状を緩和する効果が、期待できます。
骨粗しょう症を予防する
人間の体は、血液中のカルシウム濃度が低下すると、骨を溶かして、カルシウムを吸収しようとします。
女性ホルモンのエストロゲンは、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制し、骨密度を正常に保つ働きがあります。
更年期は、このエストロゲンの分泌が減少することで、骨がもろくスカスカになってしまう「骨粗しょう症」を、発症しやすくなってしまいます。
カルシウムを積極的に摂取することで、骨粗しょう症の予防につながるのです。
精神を安定させる
カルシウムには、神経伝達物質を放出し、脳の興奮や緊張を、抑える効果があります。
更年期の症状として、多くの方が悩んでいる、イライラや不安、焦燥感、気分の落ち込み、といった精神的な不調を、緩和させる働きがあります。
カルシウムを効率よく摂取するには?
マグネシウム・ビタミンDと組み合わせる:
マグネシウムは、カルシウムの働きをサポートする栄養素です。
摂取する場合は、バランスが大切で、カルシウム2に対して、マグネシウム1が、理想とされています。
ビタミンDは、腸でのカルシウムの吸収を、助ける働きがあります。
クエン酸を摂取する:
クエン酸には、ミネラルを包み込んで、溶けやすく吸収しやすい物質に変える、キレート作用、という働きがあります。
このキレート作用により、カルシウムの体内への吸収が促進されます。
塩分を摂りすぎない:
塩分を取りすぎると、カルシウムが尿として、排出されてしまいます。
特に、カルシウムの吸収をさまたげる「リン酸塩」が、多く含まれるスナック菓子やインスタント食品、加工食品などは、摂り過ぎに注意が必要です。
過剰摂取に注意すること
厚生労働省が推奨する、更年期の女性のカルシウム摂取量は、1日650mgとされています。
また、1日の上限量は2500mgとされており、これを超えた場合は過剰摂取となり、「カルシウム過剰症」といった症状が現れることがあります。
カルシウム過剰症は、軽いものでは便秘や吐き気、腹痛、食欲不振、などの症状が現れ、重度になると、腎結石や尿管結石、腎不全、心血管疾患など深刻な疾患を引き起こす危険性があります。
通常の食事からカルシウムを摂取する分には、過剰摂取になることは、ほぼありません。
しかし、サプリメントを利用する場合は、表示されている用法・用量に従い、1日の目安量を守るようにしましょう。
まとめ
いかかでしたか?
カルシウムが不足すると、骨だけでなく、身体のさまざまな機能にも、影響が出てしまいます。
特に更年期の女性は、カルシウムが不足傾向にあり、イライラや情緒不安定、骨粗しょう症などの、更年期特有の症状の原因となっています。
更年期の不快な症状を改善し、上手に乗り越えていくためにも、カルシウムの摂取を意識した食生活を心がけ、明るく快適な毎日を過ごしましょう!