更年期症状の中には、動悸、息切れがあります。
心臓が急にドキドキしたり、息がしづらくなったりとして、少し不安になるものです。
更年期に入ると、なぜ動悸、息切れは起こってしまうのでしょうか。
更年期におこる動悸、息切れの症状
動悸、息切れとは一般的に、激しい運動をしたあとや、階段の上り下りなどをした時、心臓がドキドキしたり、息が苦しくなったりする事です。
ところが、更年期の動悸、息切れは、激しい運動などしなくても、平常時や寝ている時でも起こってしまうのが特徴です。
家事をしていたら、急に心臓がドキドキとし始めたり、横になっているのに、息が苦しくなってしまったりします。
また、激しい動悸で目が覚めてしまうなんて事もあります。
そんな動悸、息切れが急に始まると、心臓や呼吸に関わることなのでとても心配になってしまうものですよね。
更年期には、この不安やストレスでも、動悸、息切れは悪化してしまうものなのです。
動悸、息切れの原因
更年期に起こる動悸、息切れの原因は、自律神経のバランスが乱れてしまう事が大きく関わりますが、なぜ更年期に入ると自律神経は乱れてしまうのでしょうか。
エストロゲン分泌量の減少
更年期に入ると、エストロゲンの分泌量が激減するとよく言われますね。
そして、このエストロゲンの減少によって更年期には動悸、息切れなど様々な不調があらわれてしまうのですが、エストロゲンの分泌と脳の関係が自律神経のバランスに大きく関わります。
エストロゲンは、脳の中にある視床下部という部分からの指令によって、分泌されます。
そしてこの視床下部は、エストロゲンの分泌をする様指令を出すと同時に、自律神経をコントロールする役割も担っています。
視床下部はいくらエストロゲンを分泌するよう指令を出しても、更年期で加齢により衰えた卵巣は指令通りエストロゲンを分泌できません。
すると、視床下部は混乱してしまうのです。
その混乱によって、自律神経のコントロールにも悪影響が出てしまい、更年期にバランスを乱し、動悸、息切れなどがおきる原因になってしまうのです。
自律神経の乱れとストレス
自律神経は、人が健康に生きていくための様々な役割を担っています。
その中には、心臓の働きを正常化させたり、呼吸を整えるなどの働きもあります。
そのため、自律神経が乱れてしまえば、それらの働きにも影響が出て、更年期の動悸、息切れの原因につながってしまうのです。
また、動悸、息切れは、強いストレスや不安を抱えた時にも起こってしまうものです。
そのため、ストレスや不安を抱えやすい更年期は、自律神経の乱れと同時にこのストレスなどが原因となって、動悸、息切れを起こしやすくなってしまいます。
更年期以外の動悸、息切れは病気のサイン
貧血の症状のひとつでもありますし、もっと重大な病気の症状のひとつでもあったりもするのです。
心臓病や、甲状腺異常である橋本病、バセドー氏病などでも動悸、息切れはおこります。
更年期症状特有のほてりやのぼせ、多汗などがないのに、動悸、息切れがするという場合は、医療機関での検査を受ける事をおすすめします。
更年期の動悸、息切れの対処法
わけもなく急に心臓がドキドキしたり、息が思うようにできなくなってしまえば、焦ってしまうものです。
でも、焦ったり、不安を抱えれば動悸、息切れは悪化してしまう事があります。
深呼吸をして心を落ち着かせる
まず動悸、息切れを鎮めるには、落ち着いてゆっくり深呼吸しましょう。
呼吸をする時は、吸うよりも吐くほうに意識をしましょう。
息を吸ったら、ゆっくり長く吐きましょう。
動悸、息切れによって焦ってしまえば、自然と呼吸は乱れ、知らず知らずのうちに息を吸ってばかりになってしまいます。
そうなれば、血液中の二酸化炭素が増え、過呼吸になってしまう恐れがあります。
ただでさえ、更年期症状の動悸、息切れでうまく息をできないのに過呼吸になってしまえば、きっと混乱してしまうことでしょう。
息は吸ったら、なるべく長く吐き、「ふぅ?っ」と吐く時になるべくリラックスしましょう。
腹式呼吸でリラックス
深呼吸をして動悸、息切れが落ち着いてきたら、腹式呼吸に変えてみましょう。
腹式呼吸することで、リラックス効果も得られます。
また、更年期症状の動悸や息切れが起こった時だけでなく、普段から腹式呼吸を意識しておこなえば、自律神経の乱れの改善にもつながります。
鼻からゆっくり息を吸い、吸う時はお腹はへこませ、口からゆっくりと吐き、吐く時はお腹を膨らましましょう。
ムキになってやるのではなく、リラックスを目的にゆっくりとおこなうと良いですね。
アロマオイルを取り入れる
更年期による動悸、息切れが起きた時に大切なのは、まず心とカラダを落ち着かせることです。
そのために、心身ともに落ち着かせ、リラックス効果のあるアロマオイルを用いるのもおススメです。
例えば…
・イランイランは、爽やかなお花の香りで、呼吸を深く整える効果があります。
・カモミールはざわついた精神を沈め、緊張を解いてくれる効果があります。
・クラリーゼは、健康的なハーブの香りで不安を消し、心を落ち着かせてくれます。
この様に、心身共に落ち着かせて気分を変えてくれるアロマオイルを常備しておいて、更年期症状の動悸、息切れが起きた時はコットンなどに1敵垂らして枕元に置いて横になってみましょう。
また、気分のすぐれない日は、浴槽に3滴ほど垂らしてよく混ぜて、入浴してゆっくりしてみましょう。
心身ともにリラックスできて、緊張したカラダや心を柔らかくしてくれるはずです。
まとめ
更年期は、動悸、息切れを始め、なにかと心やカラダに不調が現れ、気分や体調のすぐれない日も多いはずです。
日々の生活の中で、自分を癒す時間を作ることはとても大切なことです。
心やカラダの緊張もほぐれれば、自律神経のバランスもきっと整ってくることでしょう。